イベントレポート

団体運営を理想に近づけるために 大切な考え方

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毎月、大学や所属団体の枠を越えて学生が集まり、テーマに沿って話し合う中で考えを深めている「学都ビラキ」。
今回は、初めて外部から講師をお招きしました。
講師の熱のあるトークに、参加者の表情は真剣そのもの。
いつものゆるりとした感じとは、ちょっと違う雰囲気でした・・・!

上手くいかないのはファシリテーションのスキルのせい?団体運営に必要な6項目

講師として来ていただいたのは、福島県郡山市にあるNPO法人コースターの理事、坂上英和さん。
学生団体やNPOの運営面のサポート経験が豊富な方です。

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今回の学都ビラキのテーマは「ファシリテーション」。
一般的に、発言や参加を促したり、話の流れを整理したり、参加者の認識の一致を確認したりする行為のことを指します。
参加者は5人で、全員が学生団体に所属しているうえ、代表やそれに近い立場にいる人がほとんどだったため、関心が高いテーマだったと思います。

アイスブレイクの自己紹介で、坂上さんから「自分の団体を10点満点で評価してみて」との要望が。
低い人は3点、高い人でも控え目の7点と、誰もが自分の団体に何かしら上手くいっていないと感じる要素があるようです。
「やる気のある人と、ない人の差が埋められない」「たまに来るメンバーに、どう活動に関わってもらえば良いのかわからない」
マイナス評価の理由を聞いてみると、“活動そのもの”よりも“人”に要因があることがわかりました。
参加者の多くは団体のメンバーを動かす立場ですが、なかなか思うようにはいっていないようです。

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「やる気のない人をどう引っ張っていけば良いのかわからない」。
学生団体に限らず、部活動やサークル活動など、人が集まって何かをする場面でよく聞く問題ですが、坂上さんは次のように言います。
「やる気がない人を引っ張り上げる必要は、本当にあるの?その目的は?全員やる気があるのは良いことだけど、やる気がない人を許容するのもアリだと思う」。

さらに、仙台の秋の風物詩・芋煮会を例に挙げて・・・
「芋煮を食べることだけを目的として来る人もいる。そういう人には、作るの手伝ってよ!と言うのではなくて、その人なりの役割を与えること。芋煮が残りそうになったら、責任を持って食べてもらうとか。つまり、どういう場にしたいか、どういう方向に持っていきたいかでファシリテーションは変わってくる」。

この言葉にはなるほど、と思わされました。
つい、深く考えずに「これをやるのが当たり前」と固定観念にとらわれてしまいがちですが、考え方を転換すると“問題だ”と思っていたことは問題ではなくなるかもしれません。

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坂上さんによると、ファシリテーションにおいては、自分の団体が目指している方向をきちんと理解することが大切なんだそう。
そこで、参加者はそれぞれの団体の「理想」「使命」「目的」「目標」「戦略」「戦術」の6つを、ワークシートに書き込んでみました。すると・・・
「できたばかりの団体だから、この項目については考えたことなかったかも」「(隣に座っている参加者と)同じ団体に所属しているけど、同じことを書けている自信がない」
団体の代表でも、意外と書けない・・・!
そう言うわたしも、皆さんの様子を見ながら自分の活動について書いてみましたが、書けない部分がいくつかありました(^-^;

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完成したワークシートは、参加者同士で見せ合いました。
「それってどういう意味?」「この言葉の持つ意味って?」質問がどんどん飛び交う展開に。
団体のメンバー以外の第三者から質問や意見を受け、それに答える中で、今まで何となく理解していた自分の団体について深掘りすることができました。

ただし、団体ができた当時から社会の状況は変わっているので、目指す方向も少しずつ変化するといいます。
そのため、6つの項目のうち大きな「理想」「使命」「目的」がずれていなければ、あとの項目は現役のメンバーで変えてしまっても良い、というのが坂上さんの見解です。
設立初期の想いをどこまで反映させ、どの部分でオリジナリティを出すのか・・・決めるのは自分たちということですね!

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今回は、いつもより深い部分まで考えを巡らせることができました。
学都ビラキも4回目となり、開催するにつれて参加団体の数も増え、学生同士の輪も少しずつ広がってきたように思います(^^)

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次回の学都ビラキは2月22日(水)、テーマは「デザインのプロから学ぶ“伝え方”」。
https://www.facebook.com/events/1854022321543088/
次は誰が参加してくれて、どんな話が展開されるのか、今から楽しみです!!

「文と写真・安達朋葉(東北学院大学3年・インターン)」

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