学生団体紹介第2弾は、「東北大学地域復興プロジェクト”HARU”(ハル)」です。
地域復興とはどんな活動なのか、どのような想いで活動しているのかお伝えします!
住民のニーズの変化に柔軟に対応する 復興支援活動
HARUは、東日本大震災の後にできた団体で、現在は主に石巻市の仮設住宅で支援活動を行っています。
HARUが大事にしているのは「自立支援」。
被災した人たちが少しでも元気になるように、心のケアを中心に活動を行っています。
そのために、月に一度は石巻を訪れ、住民との交流を欠かしません。
これまでに取り組んできた活動としては、まちを歩いて住民の方と触れ合いニーズを探す「石巻あそいくプロジェクト」、「足湯プロジェクト」、「教育支援プロジェクト」があります。(※足湯と教育支援は終了)
震災直後はハード面の支援も行っていました。
例えば「図書館プロジェクト」では、震災の被害を受けた東北大学の図書館を整理・整頓する活動を行いました。
最近は、自分たちで綺麗にした図書館の一画を使い、ミーティングを行うこともあるそうです。
これらのプロジェクトは、すべて並行して行っていたわけではなく、ニーズがあって生まれたもので、ニーズがなければプロジェクトもなくなります。
HARUは、被災地の変化に対応して支援も変化させ、歴史を重ねてきた団体だといえます。
現在、最も力を入れているのは「料理教室プロジェクト」です。
料理教室といっても、プロが住民の方に料理を教えるのではなく、住民みんなでひとつの料理をつくります。
そうすることで、住民同士や住民と学生との親睦を深めることができるそうです。
料理教室プロジェクトの様子
今回お話を聞いたのは、広報の関さんです。
関さんは、HARUの魅力は“柔軟性がある”ところだと感じています。
「料理教室プロジェクト」は、関さんが住民の方の声を聞き、「料理教室をやったらどうか」とメンバーに呼びかけたことから実現に至りました。
関さん「『次はこうしたら、新しい支援の形として成立させられるんじゃないか』という発想がプロジェクトを生み出し、実際にHARUの活動として動き出します」。
わたしは、関さんが思う“柔軟性がある”とは、団体が「変化に対応していく体制ができている」ということを意味しているのではないかと思いました。
HARUは、住民の方とのリアルな会話を通してニーズを見つけることを、とても大事にしています。
そして、そのニーズを満たすために何ができるのかを考え、実行に移すのだそうです。
山元町の祭りをお手伝い
ニーズを探して、そのニーズを満たす活動を実行に移すことは、基本のことのようで非常に難しいのではないかと思います。
それを一つの「プロジェクト」として確立させてしまうところが、HARUの強みではないかと感じました。
「文・安達朋葉(東北学院大学3年・インターン)/写真提供・東北大学地域復興プロジェクト”HARU”」
HARUの名前の由来(団体ホームページより):
厳しい冬の寒さに耐えながら、春を待つ。
私たち東北は、やがて来る暖かな春の喜びを知っている。
今どんなに辛い事、悲しい事があっても、季節は必ず巡り、”春”がやってくるように、
夢も希望も幸せも必ず東北の地にやってくる。
天気が晴れ、木の芽が張り、田畑を墾って、万物が発る。
みんなさまざま、きもちは一つ。全てここから、HARUを東北に。