今回、学生団体紹介で取り上げるのは「一般社団法人復興応援団」。
この記事では、団体の学生チームのことを指しています。
団体名を聞いた時から、インターンで学生団体を応援しているわたしとしては、気になる存在でした。
どんな目標を掲げ、誰を応援しているのでしょうか・・・?
学生リーダーの加藤さんにお話を聞いてきました!
復興の影の立役者を目指して
復興応援団は、「地元の人が中心となった東北地域の復興を実現する」をビジョンに掲げて活動している団体です。
団体では、自分たちが主体ではなく、東日本大震災を受けて再出発している地元の人たちを後押しすることを大事にしています。
その一環として実施しているのが、南三陸町での1泊2日のボランティア派遣プロジェクト。
全国から学生や社会人の参加者を募り、地元の農家や漁師のもとへ一緒に行くことで、南三陸町のファンを増やすことを目指しています。
1回あたり平均で20人前後の参加者が集まるそうです。
地元農家の話に聞き入る プロジェクト参加者
プロジェクトでは、地元の農家や漁師が震災からどうやって立ち上がり、現在は仕事に対してどんな想いを持っているのかを聞きます。
それだけではなく、実際に農家と一緒に畑仕事をしたり、漁師と船に乗って海に出たりします。
参加者は、東京などの大都市から訪れる人が多く、普段は農業や水産業の現場に触れることがほとんどないので、自ら体を動かすことはとても貴重な体験になるといいます。
プロジェクトを通して南三陸町に外の人たちを招くことで、地元の人たちの活躍を知ってもらったり、その仕事の面白さに気付いてもらったりするきっかけになればと、加藤さんは話してくれました。
参加者にとっては、地元の人たちの話に耳を傾け、一緒に汗を流して仕事の面白さや大変さを味わった体験や思い出が、その後の何かしらの行動に繋がっていくのではないかと思います。
プロジェクト参加者で振り返り
復興応援団の学生チームは、いわば縁の下の力持ち。
参加者への配布資料の準備や同行という形で、プロジェクトがスムーズに進むように尽力します。
加藤さん「学生のほうが、大人よりも参加者との距離を縮めやすいんじゃないか。世間知らずな分、良い意味で遠慮がないから、参加者もコミュニケ―ションを取りやすいのではと思います」。
初日の夜には、参加者と地元の農家や漁師を交えて交流会を行うそう。
参加者に社会人が多い時には、日常では聞けないような面白い話を聞くことができるので、学生自身にもプラスになっているといいます。
他の活動としては、多賀城市の仮設住宅や復興公営住宅で、手づくりの情報誌を配布しています。
「復興応援団だより」という名前のこの情報誌では、表には団体の最近の活動を紹介。
裏面には、市内の初日の出のスポットやラーメン店、図書館など、仮設住宅で暮らしている人たちにとって身近な場所をピックアップして紹介しています。
情報誌を見ることで、住民の皆さんに少しでも元気になってもらえれば…という願いを込めて取り上げているといいます。
「復興応援団だより」の裏面
情報誌は、1軒ずつ回って対面で配布しています。
毎月訪問し、住民とおしゃべりすることで、少しでも癒しを与えられたらと考えているそうです。
学生チームと一緒に活動する、復興応援団の大人たちも魅力的なのだそう。
加藤さん自身、新歓時期には多くのボランティア団体を見学しましたが、代表の人柄に強く惹かれて入ることを決めたそうです。
加藤さん「僕たちの場合、学生が活動のすべてを担っているわけじゃない。自分たちですべてやってのけちゃう学生団体もある中で、この形が良いかどうかはわからないけれど、うちの活動にはインターンシップ的な面白さがある。集客やイベント運営の仕方など、大人たちから学べることが本当にたくさんあります」。
大学生のうちに関わることのできる大人は、どうしても限られてしまいます。
魅力的な大人に出会い、多くのことを学べる学生は、恐らくほんの一握りではないでしょうか。
復興応援団に入れば、復興のお手伝いをする機会が得られるだけでなく、活動をしていく中で素敵な大人たちとの出会いに恵まれるかもしれませんね!
「文・安達朋葉(東北学院大学3年・インターン)/写真提供・一般社団法人復興応援団」