東日本大震災のあとに設立された、たくさんの復興支援団体。
学生が主体で運営している団体も少なくありません。
あれから5年8か月が経ち、少しずつまちが復興していく中で、どう活動を続けていけばよいのか模索している団体にお話しを聞いてきました。
復興支援への想いを、どう「かたち」にしていくか
2011年5月に設立された「宮城大学学生団体 One Second Project」。(以下、OSP)
多賀城市の仮設住宅の自治会で夏祭りなどのイベントのお手伝いや、「笑み舞う」smile projectという復興への想いを書いた連凧を被災地の海岸に揚げる活動に参加してきました。
仮設住宅が解消されていくにつれて、活動は「アルパカかわら版」という情報誌の発行にシフトしていきました。
アルパカかわら版
アルパカかわら版は、メンバーが東北の復興に携わっている方々を取材し、その内容をまとめたものです。
これまでに、被災した方々が漁綱を編み込んで作ったミサンガなどのグッズを販売する団体をはじめ、さまざまな団体や企業の方のインタビューを掲載。
団体のホームページで紹介したり、宮城県図書館や仙台市市民活動サポートセンターなどで印刷した紙面を掲示したりしてきました。
今年2月の発行以来、アルパカかわら版は休止中で、依頼があると多賀城市の児童館にお邪魔して、イベントのお手伝いのボランティア活動をしているそうです。
児童館でのボランティア活動の様子
メンバーの鈴木さんにお話しを聞きました。
OSPの現在のメンバーは、11人。
4年生が抜けてしまうと、2年生のわずか3人になってしまいます。
仲間を増やそうと説明会を開いていますが、なかなか加入までには至らないのだそうです。
また、アルパカかわら版は、今までより内容の濃いものにして発行を再開したいと考えています。
ただ、編集ツールを使いこなせるメンバーがいなくなってしまったことも、再開するための壁になっているそうです。
私は、鈴木さんと話してみて、震災発生から時間が経った今でも、支援を必要としている人の力になりたいという強い想いを感じました。
その一方で、気持ちはあるものの求められている支援の形が変わってきている今、何をしたら良いのか団体として意見が固まっていないように思いました。
想いをどうかたちにしていくのか、具体的にやりたいことが何なのかを明確にし、周りにも提示することが出来れば、他の団体などから必要なノウハウや活動のヒントを得て、団体の可能性を広げられるのではないかと思います。
「文・安達朋葉(東北学院大学3年・インターン)/写真提供・宮城大学学生団体One Second Project」
「宮城大学学生団体One Second Project」
主な活動内容:震災直後は、仮設住宅でのイベント参加や支援活動。その後、「アルパカかわら版」を発行。現在は、「アルパカかわら版」での繋がりをもとに不定期でボランティア活動を行う。
設立:2011年5月
メンバー:11人