学生団体紹介

東北大学ロケット製作・打上サークル FROM THE EARTH

1508730970692

そこの「ボケーット」している君!大空に打ち上がる「ロケット」に憧れを抱いたことはないかい?
青い空さらには大気圏に向かって、地表からたかーく打ち上がるロケット。日常とかけ離れた、果てしなき世界。
この世界に夢をいだき、ロケット製作を通して社会に夢と感動を与えることを目的に活動している学生団体があるんです。
それが東北大学ロケット製作・打上サークル FROM THE EARTH(通称:F.T.E.)。ロマン溢れる飛翔体の正体とは!?

そもそもロケットとは?

1508730970692
こちらの写真の中央がF.T.Eが製作しているロケットです。

このロケットは、教育用などの目的で使用されている小型ロケットである「モデルロケット」の一種で、ハイブリッドロケットと呼ばれています。
F.T.Eではこのロケットで上空1kmにまで到達しています。
また、F.T.E.ではこのロケットを外側の機体、中の機械や電装等を製作し、打ち上げ実験に参加しています。
取材では活動の詳細とその思い、描く夢について詳しく聞いてきました!

活動内容について

活動は大きく分けて2つ!

  • ロケット共同打ち上げ実験:これに向けたロケット製作が基本となる活動。3月は東京都伊豆大島、8月には秋田県能代市で2回打ち上げるのが毎年恒例なんだとか。
    1508730973159
  • 子どもたちへのボランティア活動:ロケット製作や理科教室を通して科学の楽しさを多くの子供達に伝えています。

詳しいお話を代表の須藤響子さん(東北大学2年)にお話を伺ってきました!

ー打ち上げに至るまで、どういった活動をされているんですか?
須藤さん「FTEには部署が4つあります。一つ目の部署ではロケットのボディー本体を作ります。製作の1ヶ月くらい前まではみんなで練習をして、その中で1番上手な人に本番の機体を2ヶ月ほど前から作ってもらいます。」

ー1人で作るんですか!?
須藤さん「みんなで作ると精度が低くなってしまい、打ち上げたときに十分な結果が得られないことがあります。歪んでしまったところにヤスリをかける作業や塗装はみんなでやりますが、基本的には1〜2人で製作をします。」

ー他の部署はどういったことをしてるんですか?
須藤さん「2つ目はパラシュートを開く扉を作ったり、本体とエンジンを固定する部品や機構を作る部署です。ロケットの内側を作るイメージですね。外側の設計をする部署と協力して活動をしています。3つ目は最高高度に達したことを認識して、パラシュートを開く機構を作動させる電装を組み立てる部署です。」

ー…ごめんなさい、ちょっと想像がついてないです(-ω-;)
須藤さん「打ち上がって最高点に達すると速度がほぼゼロになるじゃないですか?その際にロケットの中に積んでいるセンサーが1番上に来たことを感知します。すると電熱線がテグスを焼き切るような形で、パラシュートの扉を開放させるという仕組みを作っています笑」

ー(ムズカシイヨォ…)4つ目の部署について教えてください。
須藤さん「エンジンに点火するためのガスの制御をしています。基本的には高圧ガスを扱うことになるので、法律禁止事項のチェックもしています。さらに後輩へ引き継ぐための安全管理シートの更新や練習会を開いたりしています。私もこの部署で活動しています。」

活動の魅力

1508730971972
ー活動の魅力を感じる場面はどういった時ですか?
須藤さん「1番は打ち上げが無事成功した時ですね。打ち上げの際は、共同打ち上げ実験の責任者の方や著名な先生が来てくださるので、とても緊張します。また半年間かけて作ったものを1回しか打ち上げられないこともあり、製作過程でも寝れないくらい緊張します。なので打ち上がったときの喜びはひとしおです!」

活動の目的

ーずばり、ロケットを打ち上げる目的はどこにあるんでしょう?
須藤さん「F.T.E.には2つの理念・目的があって、私は7代目ですが1代目の先輩から代々受け継いでいます。1つ目は大気圏の突破。これを達成して、『学生団体でも大気圏突破できるんだ』ということを多くの人に伝えたいです。2つ目は、多くの人に夢と感動を与えることです。東北大の周りだけでなく、東北地区、日本全国っていう風にロケットの魅力を知ってもらい多くの人に夢と感動を与えたいと考えています。一方でただ打ち上げ実験を繰り返しやっているだけでは、関係ない興味がない人にとってはどうでもいいというか。私も大学入るまでは学生がロケットを打ち上げていることを知らなかったので。なので小さい子たちや高校生等にロケット製作を教えるなど、ロケットを通して夢を与えるボランティア活動をしています。」

ー代表の任期が残り約一年ある中で、目指す目標を教えてください。
須藤さん「私たちは、多くの人たちに知ってもらうという点でも大気圏突破を目指すという点でもまだまだ未熟です。(世代交代をして)先輩たちの技術にすごい支えられていたことを感じているので、私たちが技術を継承し後輩の世代になったときに不便な思いをしないようにしたいです。そして後輩の世代にも大気圏突破と多くの人に夢と感動与えるという目標を継承してもらえるように活動していきたいと思っています。」

取材を振り返って

ロケット製作の詳細からその先の大きな目的まで、終始ワクワクさせられっぱなしの取材でした!
大きな夢を描き、それに向かって突き進む人たちの姿は同じ学生として憧れを抱いてしまいました。おそらく子どもたちの目にはもっと輝いて見えることでしょうし、同じく大きな夢を抱くきっかけになるでしょう。
機械工学や空や宇宙、大きな夢に挑戦することに興味がある方は是非連絡をしてみてはいかがでしょうか?

「文・山下航希(東北大学3年・インターン)/写真提供・東北大学ロケット製作・打上サークル FROM THE EARTH」

他の学生団体紹介も見る