皆さんが聞き馴染みのある「インターンシップ」といえば、学生が企業の業務を経験するのをイメージすることが多いですよね。
今回お話を聞いたのは、「アイセック仙台委員会」の委員長の伊藤さん。
インターンシップの中でも、海外インターンという珍しい活動を行っているんです。
世界中の学生と企業を繋ぐ架け橋に
アイセックは世界中に拠点があり、その国や地域は126支部に渡ります。
そのうちの1つが日本で、全国に25もの委員会があります。
すべての委員会は、学生によって運営されています。
主な活動は、海外インターンの運営。
各国の学生が世界をまたいで支部から支部へ、企業やNGOなどでインターンをします。
アイセックは、世界中の学生と受け入れ先を繋ぐ、いわば橋渡し的存在です。

世界各国のインターン生
海外インターンには、日本から学生を送り出す「送り出し事業」と、日本に学生を受け入れる「受け入れ事業」の2つがあります。
「送り出し事業」では、インターン生に対し、事前研修として目標設定を行ったり出国前の事務的なサポートをしたり、出国後にはスカイプを活用してアウトプットの場を設けるなど、さまざまなことを行っています。
一方「受け入れ事業」では、海外の支部へ日本の企業の広報活動を行ったり、受け入れ先として地元企業への営業をしたりしています。
海外からのインターン生のリフレッシュのために、休日は一緒に遊びに出かけることもあるそうです。

ベトナムからのインターン生と松島旅行
海外インターンには、給料をもらうビジネス系プログラムと、ボランティアとして比較的気軽に参加出来るプログラムの2種類があります。
有給のインターンには、IT系の仕事やコンサルティング、マーケティングが多く、ボランティアには、教育機関での言語教育や農業支援、孤児院の支援などが多いそうです。
参加を希望する学生は、諸条件を満たし、企業とのスカイプでの面談を経て採用されれば、晴れてインターン生として海外に渡ることができます。
有給のインターンでは、ある程度の言語力が必要で求められる能力も高くなりますが、ハードルが高い分、他の活動では味わえない貴重な経験ができるといいます。

マレーシアの孤児院でのインターンの様子
アイセックのメンバーは、インターン生のサポートと企業への営業活動を同時進行で行っています。
そのため、各委員会では広報や営業企画、サポートなどとチームを分けて活動を行い、それぞれに集中できるようにしているそうです。
とはいえ、活動には難しさもあるようです。
伊藤さん「地元企業と学生それぞれに対して、活動のメリットを伝えることが難しい。地元企業にとって、日本語をあまり話せない人を受け入れるコストは大きいため、企業に合わせて海外インターンの魅力や価値を提示できないといけないんです。学生は、そもそも私たちの活動を知らない人が多いので、もっと知ってほしいです。国内のインターンや海外研修が盛んになってきて、競合が激しくなっていることは確かですね」。
最近は、自分たちがやりたいと考える海外インターンに合う企業にこだわって、受け入れ先の営業活動をしているそうです。
質を求めると営業はさらに難しくなってしまいそうですが、こだわりを持って活動しているのは素敵だなぁと思います。

団体のメンバー
海外インターンは、学生が長期で休みを取れる春と夏に活発に行われているそうです。
長期の休みを使って世界に飛び出し、海外の企業の空気を肌で感じてみてはいかがでしょうか…!?
「文・安達朋葉(東北学院大学3年・インターン)/写真提供・アイセック仙台委員会」